ダイオキシンと食品
通常の環境において、私たちが体内に取り込むダイオキシンの90%以上は食事からと推定されています。
わが国におけるダイオキシン類の1日摂取量を示したものです。
体重1キログラムあたり2ピコグラム、大気や土壌からの摂取はごくわずかですが、注意すべきことは、我が国における都市大気中のダイオキシン濃度は、先進国の諸都市のダイオキシン濃度の10倍近く高いという現実なのです。
これは、焼却によるゴミ処理が広く行われていることが関係していると推測しても良いでしょう。
食品からの先進国のダイオキシン類の摂取量を見ると、あまり大きな違いは無いといってよいのですが、この事実は、スーパーマーケットに行けばわかるように、汚染が地球規模ですすみ、食物連鎖を介して、さまざまな食品が汚染されていることの反映と言っても過言ではありません。
それでは、どのような食品からダイオキシン類を取り込んでいるのでしょうか。わが国では食事から体内に取り込むダイオキシン類の6割を魚介類から(図9)、欧米諸国では白人系の場合、肉や乳製品から摂取しています。
◆トータルダイエットのダイオキシン類の1日総摂取量
(PCDDs+PCDFs+Co-PCBs:pgTEQ/g)
食品群 平均摂取量 割合
米 1.18 1
雑穀・芋 4.21 3.5
砂糖・菓子 0.7 0.6
油脂 0.53 0.4
豆・豆加工品 0.4 0.3
果実 0.21 0.2
有色野菜 4.94 4.1
野菜・海草 1.23 1
嗜好品 1.31 1.1
魚介 75.3 62.4
肉・卵 20.9 17.3
乳・乳製品 9.42 7.8
加工食品 0.4 0.3
飲料水 0.02 0
総摂取量(pgTEQ/day) 121 100
摂取量(pgTEQ/kg/day) 2.41
魚介類からの摂取が多いから、魚介類を食べるのをやめればいいということではありません。肉が増えれば肉類からの摂取の割合が高くなります。ダイオキシンによる食品汚染は、国内一部の特定地域の問題ではなく、地球規模の問題なのです。
また、有色野菜にダイオキシンが含まれているからといって有色野菜をとらないようにするなど、あまり神経質になることも、短絡的な考えです。有色野菜には抗がん作用をはじめ成人病にも極めて有用な成分があることもわかっており人体に必要な食品なんです。
それでは、私たちは何をどのように食べたらいいんでしょうか。
現実的な対応策は、好き嫌い無く、偏食をせずに、さまざまな食品をくまなく食べることでしょう。
リスクを分散させることで、健康的なバランスのとれた食生活を楽しむことができるでしょう。
そしてダイオキシンだけが最大のリスクなのではないんです。
ダイオキシンの毒性はガンの他、さまざまですが、ガンに限って言えば、ダイオキシンよりもタバコによるガンのリスクのほうがはるかに高く、ヘビースモーカーなどは、一日4ピコグラムの耐容一日摂取量のかなりの量のダイオキシン類をタバコから摂取しているとの推定もあります。
禁煙を進めることは、とりわけ、子ども達の肉体的のみならず、精神的成長のためにも大切なことです。
みなさんも健康には、気をつけましょう。







